指揮棒が飛んだ!
指揮を仕事にしてかれこれ20年、初めて本番中に指揮棒を飛ばしてしまうという珍事を起こしてしまいました。 リハーサル中、何かにあたって指揮棒が折れたりしたことはありましたが、まさか本番で起こるとは。 事件はこれで前半最後の曲という「信じる者たちへの歌」でのこと。 絶対に失敗の許されない緊張のブレイクタイムを過ぎ、そして転調し、歌もオーケストラもテンション最高潮なその時、深くて重い音を出そうと、腕を思い切り下の低いところから上にあげた瞬間、譜面台に当ててしまったのです。 その瞬間、状況を把握しながらも、くるくると高速回転してきれいに弧を描く指揮棒が視界の片隅に入りながら上げた手には何もなし。 実は指揮棒というもの、指揮棒を持つことによるメリットもたくさんある一方、実は制限されることもあるんです。逆に指揮棒を持たなくなると、表現力が格段に上がって、実に音楽が自由に解き放たれるのです。(じゃあ、なぜ指揮棒を使うのかと思う方もいらっしゃると思いますが、そこにはまた大事な理由があるのです。が、それはまたの機会に。) 一気にハイテンションのまま幕が下り、結果、良い盛り上がりができたのでコンサートはよかったのですが、今回、そんな珍しい経験をしてしまったシーンがばっちり収められてしまった、「ESCOLTA Singing Drama ~Symphony~ 2014 」のDVDが発売されています。 先日、サンプル版を試聴したところ、明らかに意図的にそのシーンが抜かれており、個人的にはやってしまった感がありますが、ESCOLTAの素晴らしい歌と曲、舞台演出も音響、照明、映像の編集にいたるまで、大変素敵な仕上がりとなっておりました。 ぜひご覧いただければと思います。 ----------- DVD「ESCOLTA Singing Drama ~Symphony~ 2014 」 2014年5月7日(水)発売予定 6,000円(本体)+税 147分(本編+特典映像)/24pブックレット付 HPDC-D0015
ESCOLTA史上最大編成のオーケストラとともに贈る壮大な歌声。 2014年1月25日オーチャードホールにて行われたコンサート、 「ESCOLTA Singing Drama ~Symphony~ 2014」を映像化。 特典映像で、コンサートまでの軌跡をたどった「Making of Symphony」 も収録。