TOSHIMA ARTS LIVE 2021 真夏の夜の饗宴を終えて。

【TOSHIMA ARTS LIVE 2021 真夏の夜の饗宴を終えて。】

2021年9月1日、池袋西口公園グローバルリングシアターでの「TOSHIMA ARTS LIVE 2021 真夏の夜の饗宴」を無事に終えて、次の日、コシノジュンコさんのブティックへご挨拶に顔を出してきました。

今回の始まりは、ゴールデンウィークの5月3日夕方に突如コシノさんからいただいた、 「今日か明日ご飯食べられるの?」 という一本の電話。

食べられますよ。と答えたら、今日でもいいの?と。お店が20時には閉まるから18時にはきてくれるといいけど。そんな電話をしてる今はすでに17時半過ぎ。すべての作業を即時放置してタクシーに乗りご夫妻と食事をしたのです。 食事後、ご自宅へお邪魔したらリビングには画材がいっぱいでアトリエ状態に。昨年の緊急事態宣言以降、空いた時間でずっと描き続けているとのこと。

「お金にならなくてもとにかくなにか動かないとダメ。運を動かすから運動というのよ。あなたも何かやった方がいいのよ。」

当然のことながらコシノさんといえどもイベントなどできる状況でなく、自分も全然現場が戻るわけでもなく。

コシノ家のダイニングで3種類の梅酒を飲み比べしている中、コシノさんに「Arts for the future!」(文化庁による、コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)の話をし、イベントをやりましょうと切り出してみたのです。

すると、急にコシノさんの空気が変わり、「それもう少しよく話を聞かせて。今週土曜日15時にもう一度来てくれる?」と。

その週の土曜日、元々コシノさんのイベントで20年近く前にご一緒させてもらって以来、公私共に長年お世話になっているテレビ朝日イベント事業部出身、イベントプロデューサー陣原さん他数人で訪れると順之さんはじめ主要メンバー勢ぞろいしており、そして話していると急に思い出したように「一昨日、豊島区長とお会いして、今度グローバルリングシアターというところを案内してもらうことになってるのよ。」と。 そうしたら、来週、案内してもらうことになっているというのに、「これから見に行かない?」の一言で30分後には現地に立っていたという展開の速さ。 そして週明けには実施が決定してしまうというテンポ感。

コシノさんは僕が感じるに、スピードもパワーも「赤い彗星」のごとく三倍速いということを改めて実感したのでした。 そこからは、特急で補助金の申請し、準備をしようかなと思っているうちに気がつけば本番を迎えていました。

開催当日、朝から、いや、前日のリハーサルからずーっと雨が降り続けていて、雨天開催となってはいたものの、思わずリハーサルが終わっても指揮台の上から雨降る客席を見て立ち尽くしてしまう自分。 きっとオリンピックや様々なイベントを企画していて準備していて中止になったり変更になったりした人たちの、どれほどの悔しい思いを、少しは自分も共感できた気がします。

ところがなんということでしょう。。。

一斉に濡れた椅子を丁寧に拭き取るスタッフの皆さんの姿が目に入る。拭いてもまたすぐ濡れるのになぜ? もしや?まさか?と空を見上げてみれば、あれ?雨止む?

そう、なんと開場の直前、突然に雨が上がり、そこから終演までの約2時間、まったく雨が降ることもなく、そして終演と同時に再び雨が降り始めるという奇跡。

今回は久しぶりの主催公演、ましてや、この規模のイベントを主催するのは初めてな上、このコロナ自粛でブランクの長い中、自分なりになかなかハードルの高い新たな挑戦でしたが、人知を超えた何かが起こる中、雨にも濡れず無事に開催することができたのです。

公演の始めには文化庁長官に登壇いただき、その挨拶をステージ袖で聞いていたのですが、メモを見るわけでもなくご自身の言葉でいただいたお話に、急に胸が熱くなる自分がいました。 後にコシノさんから聞いたのは、本番前に楽屋で、小林研一郎さん、豊島区長、文化庁長官、コシノさんと4人で話をした時にしていた内容を汲みとってお話をしていただいたのだとか。 このコロナ禍における文化芸術活動に対し大変に心強いメッセージをいただき、背中を押していただいた気がしています。

そして本番、総合プロデュースのコシノさんを中心に、オーケストラ、オペラ、ダンス、そしてファッションとのコラボレーションは、それぞれのジャンルの出演者たちが互いにリスペクトを仕合い、異なるジャンルのパフォーマンスにお互いが触発されて、想像を超えるパフォーマンスが引き出されていく様子を目の当たりにし、まさにアートの世界の輪が広がって行くのを肌で体験することができました。 要するにめちゃ興奮したということです。

さて、ブティックにてコシノさんと配信動画を見ながら話をしていたら予想外もしなかった言葉が。

「今回は本当に良い経験になったわ。」

えええ!?(笑) これだけ数え切れぬ大舞台を経験してるコシノさんでもいまだに「良い経験になった」と思うことがあるんですか!?

「いつだって思うわよ」と。

ちょっと手慣れたふりして頑張っている(本当は必死だけど)自分はまだまだだひよっこだなと思い知らされたのでした。

さて、

都倉俊一文化庁長官の挨拶の後半部分、文字起こししたので少しご紹介させてください。

「こういう苦しい時に人間というのは体の栄養だけでは生きていけないんですね。 やっぱり、魂に届く栄養。これは何かというと「喜び」であったり「楽しみ」であったり、「美しいものを見ること」であったり、「愛」であったり、 そういうものを届けるのが僕は「文化」、「芸術」、「絵画」であり、「音楽」であり、そして「演劇」であり、この火を絶対に絶やしてはいけないと信じております。 またぜひ、こういう素晴らしいイベントが毎日のように日本の至る所で実現できるように、みんなで頑張っていこうじゃありませんか。 今日は一晩僕もたっぷりと楽しませていただきます。みなさん、一緒に楽しみましょう。 ありがとうございました。」

ああ、「みんなで頑張っていこうじゃありませんか。」って。「みなさん、一緒に楽しみましょう。」って。

こんな状況下、自分では言いたくても口に出すことができなかった心の叫びを耳にして、これからパフォーマンスをするのに、こんな心強い言葉があるだろうかと涙が出そうになりました。

このコロナ禍において、コロナ対策に細心の注意を払っていただきご協力いただきました皆様のおかげで、このような企画が実現できたことを心から感謝しております。 改めて本公演開催に向けてご尽力いただきました、コシノジュンコさん、いつも一緒に演奏してくれるオーケストラの皆さん、出演者の皆さん、舞台制作チームの皆さん。そして、共催、協力、協賛、関係各所の皆様に心より御礼申し上げます。

僕こそ今回は本当に良い経験になりました。




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